兵庫県淡路市の小児科・アレルギー科・内科 うえむら小児科内科クリニック

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今週のホワイトボードから   「発作時しか受診しない喘息患者さん」


 喘息発作が起こると息苦しいものですから発作時の治療はしっかりしていきます。治療によって発作が治まったらその後全く来院されない方が時に見受けられます。さてそれで良いのでしょうか?答えは明白で普段から喘息そのものの治療が必要です。例えば高血圧の方で考えると、急に血圧が上がって頭痛や動悸があれば間違いなく治療は必要ですが、普段から無症状でも血圧が高いので降圧剤を定期的に受診し服用していますね。慢性のほとんどの病気は落ち着いている時にも治療が必要なのです。喘息も同じで「発作の時しか病気が分からないのでは?」と思うかもしれませんが、医学は進歩しています。非発作時にこそ行う喘息検査があるのです。その検査により、重症度を判定し普段からの治療を適切に選択していきます。ただし低年齢では協力が得られないため年齢制限が機器によってはあります。当院では色々と検査機器を取り揃えていますので、ご気軽にご相談ください。

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気管支喘息の呼気ガス一酸化窒素濃度による管理

 血圧の高い方は血圧を測定し、治療方針を考慮しますね。血圧を測らないで薬を出すことはありません。さて喘息はどうでしょうか?高血圧症の方の血圧測定に相当する検査が今までなかったのです。呼気ガス一酸化窒素濃度(FeNO)という検査が高血圧の血圧測定に相当する検査です。当院では7年前から導入し、淡路島では当院と県立淡路医療センターで稼働しています。この検査と臨床症状および所見でまず喘息かどうかを見極めます。喘息と判断したなら吸入ステロイドが必要かどうかみていきます。FeNOが高値であれば飲み薬は効かず、吸入ステロイドを選択します。吸入ステロイドを使ったなら、治療で症状が良くなりFeNOが低下するのを確認していきます。治療安定期になった患者さんが急にFeNOが高値になることがあります。その多くは吸入ステロイドを怠っているか、吸入テクニックが悪くなっている時(治療に慣れれば吸入テクニックも低下することが殆どです)です。気付いて是正すれば多くは容易く正常化します。もしFeNO 測定しなければ気が付かず、症状が出現してはじめて悪化の認識ができます。当院では大人は勿論、5歳以上のこどもに積極的に測定し、診断および適切な薬を決定し、症状やFeNOが安定化すれば減量中止しています。実際喘息薬を中止できる方も多くなっています。